法務の文書業務を支えるAIプラットフォーム:Legoraへの投資
Written byDIVYA SUDHAKAR
法務は、新しいテクノロジーの導入に関して、長らく最も保守的な職業領域の一つと見なされてきました。その理由は十分に理解できます。弁護士は、正確性が極めて重要であり、ミスの代償も大きくなり得る、高い責任が伴う環境で業務を行っています。そのため、法務のワークフローは歴史的にゆるやかに進化してきており、多くの法律事務所が新たなツールの導入に慎重であり続けてきました。
しかし、人工知能はその状況を変え始めています。大量のテキストを分析し、要約し、推論するというAIの本質的な強みは、弁護士が日々行っている業務の性質ときわめて自然に重なります。文書レビューやデューデリジェンス、リーガルリサーチ、ドラフティングに至るまで、この職能の多くは、大量の情報を処理することを中核に成り立っています。
ここ数年で、AIモデルの進化により、こうしたワークフローを実質的に拡張できる段階に到達しました。当初、多くの人が、法務領域が本当にAIを受け入れる準備ができているのかについて疑問視していました。しかし、市場は変わり始めています。新たなツールが登場するにつれ、法律事務所は実験を始め、場合によっては予想をはるかに上回るスピードで導入を進めるようになりました。この変化が、私たちにこの領域での大きな機会を確信させたのです。
法務業務のためのAIプラットフォームを構築する
Legoraは、私たちが将来的に弁護士のためのエンドツーエンドのオペレーティングシステムになり得ると考えるプロダクトを構築しています。そのプラットフォームは、文書レビュー、ドラフティング、リーガルリサーチ、デューデリジェンス、ナレッジマネジメント、契約ライフサイクルの自動化など、幅広い法務ワークフローを支えています。法務業務は本質的にテキスト中心であるため、この領域においてAIはとりわけ高い効果を発揮します。大量の文書群を分析し、要約し、推論できるシステムは、弁護士の働き方を大きく補完し得るのです。
Legoraは当初、ワークフローの特定部分に注力しており、その出発点として文書レビューは極めて自然な選択でした。その後、法務業務のライフサイクル全体をカバーするべく、着実にプラットフォームの適用範囲を広げてきました。将来的には、Legoraのエージェントは弁護士と並走しながら、反復的な業務の自動化を支援しつつ、人間が常に中心にいる状態を維持していくでしょう。現時点でこの会社について最も端的に表現するなら、法務業務のためのAI搭載オペレーティングシステムだと言えます。
動き始めた市場
私たちがこの領域を調査し始めた頃、Harveyという別の企業が勢いを見せ始めていました。この出来事は重要でした。なぜなら、法務のように伝統的に保守的とされてきた職業領域ですら、AIを本格的に受け止め始めていることを示していたからです。
ひとたび一部の法律事務所が新しいテクノロジーを導入し、生産性向上という成果を実感し始めると、業界の残りのプレイヤーも自然と注目するようになります。
私たちがこのカテゴリをさらに深く調べる中で、投資家、実務家、顧客のいずれからも、Legoraについて非常に強い評価を繰り返し耳にしました。特に印象的だったのは、多くの人がこのプロダクトを単に「有望」であるだけでなく、「既存の選択肢を実質的に上回る」と表現していたことです。デューデリジェンスの過程では、複数の法律事務所にも話を聞きました。その中には、リーガルAIツールに対して当初は様子見の姿勢を取っていた事務所もありました。しかし、Legoraが市場に登場したとき、彼らはそこにこれまでとは異なるものを見いだしました。プロダクトが、彼らのワークフローにより自然に沿うかたちで機能していたのです。
いくつかのケースでは、すでに競合ソリューションを導入していた法律事務所がLegoraへ乗り換え始めていました。エンタープライズソフトウェアの世界では、乗り換えコストは決して小さくありません。だからこそ、このような動きは、ユーザーの強い確信を示すシグナルだと私たちは捉えています。
課題に真摯に向き合う創業者
Legoraのプロダクトの強さは、この会社の成り立ちによく表れています。CEOのMax Junestrandは、リーガルテクノロジーの世界では異色とも言える経歴の持ち主です。Legoraを創業する以前、彼はゲーム業界でプロダクトづくりに携わっていました。私たちがデューデリジェンスの中で強く印象づけられたのは、彼のビジョンの明確さと、この課題への向き合い方の凄まじいまでの深さでした。
2023年、Maxは弁護士が実際にどのように働いているのかを理解するため、スウェーデンの大手法律事務所の内部に自ら入り込みました。彼は数カ月にわたり実務家たちと密接に協働し、そのワークフローを丹念に把握しながら、AIが本当に価値を生み出せるポイントを見極めていきました。この経験が、Legoraの思想を形づくっています。すなわち、弁護士に働き方の変更を迫るのではなく、既存の法務ワークフローに自然に統合されるソフトウェアをつくる、という考え方です。
現在、このアプローチは顧客の間で確かな共感を得ています。まだ26歳でありながら、Maxは、懐疑的で厳格な姿勢で知られる大手法律事務所のシニアパートナーによる経営委員会に対して、たびたびプレゼンテーションを行っています。私たちが顧客から一貫して聞いたのは、彼が短時間で信頼を勝ち取るという点でした。彼は、プロダクトが今日何を実現しているのかだけでなく、今後10年で法務業務がどのように進化していくのかまでを、明快に語ることができます。
Geodesicの役割
最後に、私たちはGeodesicがLegoraのグローバル展開を支えるうえで、重要な役割を果たせると考えています。なかでも、私たちが特に大きな可能性を感じている市場の一つが日本です。日本の大企業や法律事務所との深い関係性を通じて、私たちはLegoraのプラットフォームにとって大きな機会が存在すると見ています。日本の法務ワークフローは、とりわけ文書中心になりやすい傾向があり、その分、AIによる分析や自動化の価値は非常に高いと考えられます。
LegoraのシリーズDに関する発表はこちらをご覧ください。
Legora、5億5,000万ドルのシリーズDを発表