再び昇る太陽:日本に進出する起業家と投資家が持つ新たな機会
Written byJON REZNECK
スタートアップ創業者や投資家の皆さま。私たちGeodesicは、日本が長い眠りから目覚め、デジタル変革の市場として、また独自のベンチャーキャピタルおよび起業家エコシステムとして、成功していく場所になると信じています。過去数年間で、日本を真のデジタル変革へと強力に推し進めた展開が多くありました。これは、今後十年にわたって続く動きであると考えています。
今回は何が違うのか?なぜ注目するべきなのか?
- コロナウイルスは、特にデジタル化の面で、日本の深刻な弱点を明らかにしました(例えば、現金支払いができないことやリモートワークの難しさなど)。
- スタートアップの仕事に対する肯定的な見方が形成されつつあります。一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会によると、2021年末までに、日本の大企業からの転職者の5分の1以上がスタートアップへの転職でした。これは2018年の8%との比較で、同協会のメンバーによると、その割合は25%に向かって年々、推移しています。
- 日本政府は、完全なデジタル化への取り組みに注力しています。過去10年で日本のスタートアップへの投資は10倍に増加しましたが、これによって生み出されたユニコーン企業は非常に少ないです(CB Insightsのデータによると、2023年10月の時点で、日本は世界の1220のユニコーン企業のうちのわずか0.6%である、7社のユニコーンを持っているだけです。これは、世界第3位の経済大国であり、大規模なエンタープライズソフトウェア市場のひとつであるにもかかわらず、極めて低い数字です)。政府の取り組みには以下のようなものがあります。
- まず、日本政府は2021年9月に新たな「デジタル庁」を設立し、200人のICTエンジニアを含む、600人の職員を配置しました。
- 2022年11月、政府はスタートアップの活動を促進するための「5カ年計画」を発表しました。ここでは公共部門と民間部門が協力して、2027年度までに投資規模を10倍(10兆円)以上に増やし、100のユニコーンを創出するという主要な目標を達成することに取り組んでいます。
- ChatGPTの登場や生成AIが大きく発展したことにより、特に日本の人口動態や国内のデータ専門家が不足している社会において、これらが可能とすることによる、大きな心理的影響がありました。経済産業省(METI)は、情報通信技術(ICT)の専門家が不足することにより、2025年までに「デジタルの崖」に直面すると警告しています。現在、不足は30万人ですが、2030年までに45万人から80万人に増加すると予想されています。また日経アジアは、日本は2030年には人工知能とIoTの仕事の働き手不足が27万件になると予想されており、それを埋める人はいないだろうと言っています。そして、日本の専門的なIT労働者の不足は、2018年時点と比べて、13倍に増加すると予想されています。
- 2023年には日本のスタートアップへの全体的な投資は(他の市場と同様)減少しましたが、2020年の水準に匹敵するかそれを上回る傾向にあり、国内でのスタートアップファンドの形成の減速の兆しはそれほど見られません。実際、2023年上半期には、61の新しいスタートアップファンドが形成され、総額で確認できる資本金は合計で2168億円に達しました。このペースで行くと、年間の数字はおそらく5000億円台に達するでしょう。
つまり日本は今、これからどれだけ先に進む必要があるかを痛感しており、政府は大規模かつ広範囲にわたって後押しをしており、心理的にも、特にAIとそれを実装するために必要なデータの構築ブロックに対するデジタル変革(DX)の必要性が広く意識されています。
重要なポイント
- 日本がシリコンバレーに追いつくことはないかもしれませんが、日本が成功するためには、そこまでの必要はありません。
- 日本は目を覚まし、自身を変革するためにあらゆるレベルで決意を固めています(そして歴史的に見た時、こういった時に日本に賭けない手はありません)。
- これから何が起こるか(我々の考え):
- a) デジタル変革による強固な国内経済。達成ハードルの低い多くの機会や可能性がある。
- b) より堅固な国内ベンチャーキャピタルおよび起業家のエコシステム。日本は再び起業家精神と革新の世界でその正当な地位を占めることになる。
チャンス
今が日本についてしっかりと考える時です。つかむことのできる機会は莫大です。スタートアップにとって、日本は大きく洗練された富裕な市場であり、その市場に参入するのに十分な勇気と忍耐強さを持つ企業にとっては、かなりの収益をもたらすでしょう。また、日本は力強い革新の源であり、バリューアドをする意志と能力を持つ投資家にとって、高い競争力を持つグローバルチャンピオン(およびリターン)を生み出す可能性があります。
起業家の皆さん:特にエンタープライズソフトウェア企業、そしてディープテック、ロボティクス、気候技術、その他の分野の皆さん、私たちからのメッセージは「日本へ行きましょう」です。日本の市場はあなたのソリューションを必要とし、求めています(そしてGeodesicはそれをサポートすることができます)。
投資家の皆さん:再び日本を革新とスタートアップの源として注目すべき時です。日本は目覚めています。
私たちは、シリコンバレーと日本の間の架け橋としてGeodesic Capitalを設立しました。Geodesicは、日本への進出を考えているスタートアップも、海外に進出し、海外市場で真に成功することを望む日本のスタートアップもサポートをいたします。
頑張りましょう!